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(仮称)東山元町プロジェクト vol.2
こんにちは。ビルド建築設計室の橋本です。
前回に続いて、現在着工中の(仮称)東山元町プロジェクトの様子を紹介します。
vol.1では「かなり稀有な敷地」と「一枚のスケッチから始まった計画」の話をしました。今回はその計画が、いよいよ現場でかたちになり始めたところをお届けします。
【写真①】
上の方の高い場所から見下ろした現場の全景です。
手前の1階床スラブはもう打ち終わり、奥に向かって住戸の壁が段々に立ち上がっています。右側のブルーシートの斜面は、vol.1で紹介した樹林側の法面です。高低差16mを、こうして一段ずつ上っていきます。
北側道路のカーブに合わせて、建物もゆるやかに弧を描いているのがわかるでしょうか。

北側の低い道路から見上げたところです。
下の方の壁はすでにコンクリートの打放しが現れ、その上ではオレンジ色の型枠が、斜めに大きく立ち上がっています。
これが、スケッチに描かれていた「道路に沿った曲面屋根」の正体です。


打ち終わった壁の上を歩いてみました。
片側には次に打つ壁の型枠がずらりと並んでいます。平面的にも少しずつ角度が振れていて、
放射状に住戸を並べた計画がそのまま現場に現れています。まっすぐな建物にはない、なんとも不思議な景色です。

壁から屋根に切り替わる「折れ点」の配筋です。
壁の鉄筋がそのまま折れ曲がって屋根のスラブへ続いていきます。この建物は「壁」と「屋根」の境目がなく、ひとつながりのコンクリートの面なのです。
職人さんが一本ずつ角度を合わせて組んでいく姿には、頭が下がります。

こちらは斜めの屋根スラブを内側から支える型枠です。
勾配なりに斜めのサポートが何本も入り、屋根の重さを受け止めています。普通の平らなスラブの支保工とは、組み方からして違います。

鉄筋の加工明細書です。
開口補強や縦筋・横筋など、部位ごとに長さと本数が細かく決められています。形が複雑な分、この一枚一枚の精度が現場を支えています。


屋根の外側の面を見るとお気づきでしょうか。屋根の上面にも型枠が張られ、セパレーター(型枠同士をつなぐ金物)が突き出しています。
勾配がきついと、打設したコンクリートが下へ流れてしまいます。そのため屋根の上面にも「フタ」をするように型枠を張り、壁と同じように両面から挟み込んで打設します。
途中にある四角い箱は、屋根から飛び出す窓(トップライト)の型枠です。
壁の高さが斜めになっているので、屋根の型枠が左端と右端で広がっているのが分かります。

型枠の上に、壁から屋根まで連続した鉄筋がどんどん組まれていきます。
脚立に乗った職人さんの高さと比べると、屋根面がどれだけ大きいか伝わるかと思います。


場面は変わって、現場事務所です。
壁には施工図がびっしり。モニターに映っているのは「高さ基準図」で、住戸はA〜Hの8タイプに分かれています。
vol.1で書いたとおり、両端の住戸で重なり方が違い、それに合わせて屋根勾配も変わっていきます。
つまり住戸ごとに高さが少しずつ違うのです。
現場監督の長坂が屋根の勾配の数だけ図面化し、何枚も何枚も断面図を作成し施工図で全体を管理します。

3Dモデルでは完成時のイメージも確認できます。
グレーの大きな屋根に小さな窓がリズムよく並び、その足元に住戸の入口が連なる。
スケッチから生まれた風景が、少しずつ現実に近づいています。
こんな具合に、手間も知恵もかかる現場です。
稀有な敷地から生まれた稀有な計画。
東山元町プロジェクト、引き続き進行中です。